「フィーチャーする」《シニア英会話教養講座》
最近時々耳にする言葉で「フィーチャーする」というのがあります。先日私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から質問を受けたばかりですので、あらためてここで説明させて頂きたいと思います。
よく使われている「フィーチャー(feature)」は〔動詞〕で、「(雑誌やテレビなどが)特集する・取り上げる」とか「呼び物にする・売りにする」という意味を持っています。
例文を紹介してみましょう。
①The restaurant is often featured in magazines.
(そのレストランは、雑誌でよく紹介されている。)
※これが「テレビで」なら“on TV”となります。
②This sightseeing-tour features a lot of scenic spots.
(この観光ツアーは沢山の景色のよい場所を売り物にしている。)
また、「主役・大役を演じる」という意味もありますので、ご参考までに。
③Tom Cruise featured in the movie.
(トム・クルーズがその映画で主役を演じた。)
★ここで注意して頂きたいことがあります。それはつい知ったかぶって、「フィーチャーする」を「フューチャーする」と言ってしまう人が多いことです。“future”はあの有名な映画のタイトルでもおなじみの「未来・将来」という意味の全く別の言葉〔名詞〕ですので、くれぐれもお間違えなく。
2022年05月15日 04:33 PM
「サブスク」って何?《シニア英会話教養講座》
最近になって急によく耳にするようになった「サブスク」という言葉。
「サブスクってどういう意味ですか?」という質問が、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から寄せられましたので、この場を借りて簡単に説明させて頂きます。
「サブスク」とは英語の「サブスクリプション」の略語で、“subscription”と綴ります。意味は「予約購読」とか「定期購読」です。例えば月刊雑誌の年間予約購読の場合、あらかじめ1年分の代金を納めて毎月1冊・合計12冊の雑誌が送られてくるわけです。(この時に11ヶ月分の代金で12冊読めるなどの割引特典があったりもします。)新聞もこれと同じですね。
このシステムは、今日のようなネット社会になると、「あらかじめ◯◯円払っておけば、その期間は見たい映画が見放題/聴きたい音楽が聞き放題」などのように拡大発展していきます。こうなると、「お金を払って映画のDVDや音楽のCDを買う/レンタルする」という発想ではなく、「お金を払っていつでも好きなだけ映画や音楽を楽しむ権利を買う」、「そういうサービスの利用料を払う」といった考え方になります。
最近言われる「サブスク」とは、まさにこのような方式のサービス・ビジネスモデルを総称して指しているのです。「Hulu」や「Netflix」のような動画有料配信サービスが一番わかりやすい例ですが、最近では洋服・アクセサリー・家具・家電製品から自動車まであるというから驚きです。一見シニアの皆さんには縁が薄いサービスのように思いがちですが、以前からある会員制リゾートクラブやゴルフ会員権なども「サブスク」に該当すると思います。これなら私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様たちも、とっくに御用達ですね。
2022年04月20日 11:15 PM
「どうぞよろしく」はなぜ英語にないのか?《シニア英会話教養講座》
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様からよく聞かれる質問として、「どうぞよろしくは英語で何というのですか?」があります。
以前にも書いたかもしれませんが、今日はもう一度その話を取り上げさせていただきます。
まず、日本語の「よろしく」には2つの意味・使い方がありますね。
(1)ヤマダさんによろしく(お伝え下さい)。
(2)ヤマダと申します。どうぞよろしく(お願いします)。
(1)の方は英語にもあって
◆Please say hello to Mr. Yamada. (カジュアルな言い方。会話などで使う。)
◆Please give my (best) regards to Mr. Yamada. (フォーマルな言い方。手紙などで使う。)
のように言います。【“regard”は「敬意」という意味です。】
問題は(2)の方です。おそらく皆さんはこっちの方を英語で言いたいのだと思いますが、これは英語には存在しません。「よろしく」は漢字で「宜しく」と書くように、突き詰めれば「便宜を図る」という意味です。もちろん私たち日本人はそんな深い意味を込めずに形式的に使っていますが、文化の全く異なる外国人に向かって「どうぞ私に便宜を図って下さい」と言うと、人格を疑われてしまうわけです。
本来の意味を意識せずに日常的に使っている言葉を英語に訳す時には、このように注意が必要ですね。
ですから(2)は、このように言うしかないわけです。
◆My name is Yamada. /I am Yamada. Nice to meet you.
でも、どうしても「私に便宜を図って下さい」と言いたいのなら、こうなります。
◆Please accommodate me. (私に便宜を図って下さい/お引き立て下さい。)
2022年02月14日 10:13 AM
「エモい」「チルい」《シニア英会話教養講座》
今時の若い人は【これを言ったらもう立派なシニアの仲間入り?】、次から次へと新しい言葉を作り出してくれるものです。
先頃、辞書のトップメーカー三省堂が「昨年(2021)広く使われた新語で、今後辞書に載る可能性の高い言葉」のトップに、「チルい」を選びました。
この言葉は音楽用語の“chill-out”から来ていて、「リラックスした」とか「落ち着いていて心地よい」という意味なのだそうです。音楽業界(特に最近の電子音楽)では、ビートのきいた激しいアップテンポの音楽とは反対の、心を落ち着けるスローテンポの音楽を“chill-out”と呼んでいるらしく、それを短縮した「チルい」が主に音楽関係者から広まったのだとか。使い方としては、「チルい曲」「チルいカフェ」とか、「自宅でチルする」のように動詞化させることもあるようです。
音楽用語から生まれたと言えば、「チルい」よりも少し前から使われている「エモい」もシニアには意味がわかりませんね。こちらの語源は“emotional”(感情的な・感動的な)で、「感動的な」とか「心を動かす」という意味なのだそうですが、英会話では“emotional”は「感動的な」よりも「感情的な」の方の意味が強いので、私としては違和感を覚えてしまいます。(「感動的な」は“impressive”や“moving”を使います。)しかし、一般に知られた意味とは少し違う意味で使うのが「ナウい」【これは今や死語?】のでしょう。
これからも、次から次へとこうした和製英語(?)的な「新語・流行語」がうまれていくのだろうと思いますが、中には元の英語の意味とは全く違った使われ方をしているものもあります。シニア層とお孫さんとのコミュニケーションためにも、気がついたらまたお話しさせて頂きます。
2022年01月24日 09:46 AM
SDGs(エス・ディー・ジーズ)の話《シニア英会話教養講座》
最近よく耳にする言葉に「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」があります。
先日も、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から質問を受けましたので、ここで簡単に説明させて頂きます。
「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」は“Sustainable Development Goals”の略語で、和訳すれば「持続可能な(Sustainable)、開発(Development) 目標(Goals)」となります。
そもそも「~に持ちこたえる・耐える」という意味の“sustain”という動詞があって、それに“able(できる)“という接尾語がくっついたのが“sustainable”という形容詞です。参考として次の例文を読んでみて下さい。
◆ The breakwater can sustain big tidal-waves. 〔“breakwater”は「防波堤」“tidal-wave”は「津波」〕
◆ The breakwater is sustainable against big tidal-waves.
どちらの文も「その防波堤は大津波にも持ちこたえることができる。」という意味の文です。
これまで「持ちこたえる」・「持ちこたえることができる」という意味で一般的に使われていたこの言葉が、1987年に開催された「環境と開発に関する世界委員会」という国際会議の中で使われたことがきっかけとなって、環境に関する用語として一気に普及したのです。
例えば、今のままのペースで二酸化炭素を排出し続けたり、先進国が食料を廃棄し続けたら、地球や人類は近い将来に立ちゆかなくなって持ちこたえることができません。つまり今の状況は“sustainable”ではないわけです。そこで「地球や人類がこの先も“sustain”できるように環境問題を考えていこう!」と提言されたわけです。
この国際会議の報告書の中では“Sustainable Development”(「持ちこたえることのできる(=持続可能な)開発・発展」)という使われ方がされていて、それが全世界共通のスローガン・目標(Goals)となっているのです。つまり、“SDGs”とは、「地球環境が将来も持ちこたえられるような開発・発展を私たちが目指していく、そのための目標」ということなのです。
シニア世代は「もったいない」をスローガンにして育ってきた世代ですから、「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」により近い人達だと私は思っています。
2021年12月25日 12:53 AM