「ギフト券・商品券」《シニア英会話教養講座》
「GO TO トラベル」や「GO TO イート」キャンペーンで、最近何かと話題になっている「ギフト券」や「商品券」。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様たちの話題にも、よく登るようになってきました。これを英語では何というでしょうか?
そのまま“gift-card”と言うと伝わらないことが多いと思います。正しくは“gift-voucher”。もっともアメリカでは“gift-certificate”と言う事も多いようです。
この“voucher”という単語ですが、お金と同等に使う事のできる「金券」を指します。“book-voucher”なら「図書券」、“rice-voucher”なら「お米券」、“hotel-voucher”なら「ホテル宿泊券」、“travel-voucher”なら「旅行券」といった具合ですね。
私が初めてこの言葉に触れたのは、かれこれ30年ほど前に海外ツアー旅行に参加した時のことです。女性の添乗員が「これからバウチャーを配ります。明日の朝、朝食の時にこれをレストランの入口で渡して下さい。」と言っていたのを鮮明に覚えています。つまりあれは“breakfast-voucher”(朝食券)だったわけですね。
もうひとつ似たような言葉に「クーポン(“coupon”)」があります。“voucher”とほぼ同じように使ってもよいのですが、こちらは一枚ずつ切り離して使うタイプのものを主に指します。チラシなどの隅の方に付いているアレです。バスの回数券なども「クーポン」に当たります。
◆You can get the gift-vouchers 15 percent worth of the total amount.
(総額の15%相当分のギフト券をもらうことができます。)
2020年11月02日 11:04 AM
「アラート(“alert”)」とは?《シニア英会話教養講座》
小池百合子・東京都知事の「ヨコ文字語録」の中で、最近最も頻繁に耳にするようになったのが「東京アラート」ですね。もっとも、関東圏以外に住んでいる人にとってはそれほどではないかもしれません。この「アラート」と言う言葉は英語で書くと“alert”ですが、単に流行語に終わらせるのでなく、日常の英会話の中にも取り入れたいと考えて、このブログを書いてみました。
“alert”は、①名詞、②形容詞、③動詞の3用途に使う事ができます。順に説明しましょう。
①名詞としての”alert”・・・・・・「警報・警戒(体制)」
「東京アラート」はまさにこの使い方です。「東京警戒態勢」とでも訳せるでしょう。同じような意味の言葉として、“warning”や“caution”や“alarm”等があり、それらの方が会話の中ではよく使われます。“alert”は、特に(空襲などの)危険度の高い事に対して使われるようです。
◆The police are on the alert against terrorism.
(警察はテロに対して警戒態勢を取っている。)
②形容詞としての”alert”・・・・・・「油断のない・警戒した」
一番使えそうなのが、この形容詞としての用法です。
◆He is an alert driver.
(彼はいつも慎重で、油断なく運転する。)
◆Be alert to the coming typhoon.
(やってくる台風に注意を怠らないように。)
③動詞としての”alert”・・・・・・「警告する・警戒態勢を取らせる」
◆He alerted us not to eat the mushroom.
(彼は私たちに、そのキノコは絶対に食べるなと警告した。)
※そしてもうひとつ。副詞の“alertly”の使い方を補足させてもらいます。
④副詞の”alertly”・・・・・・「油断なく・きびきびと」
これも、知っていればよく使えそうです。
◆She always works alertly. (彼女はいつも、きびきびとよく働く。)
結論としては、②と④の使い方がお勧めです。
シニアの皆さんが少しでも安心に《吉祥寺MCS英会話スクール》に通って頂けますように、「東京アラート」の一日も早い解除をお祈りします。
2020年06月08日 01:21 PM
「吉祥寺MCS英会話スクール」のすべてのシニアの生徒様方へ
新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言が発令されて10日あまりになりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」も、外出自粛要請に鑑みまして、当面5月6日(水 )までの間事実上の休講となっていますが、そうなると心配なのはシニアの皆さんの「体の運動不足」と「頭の体操不足」です。
クラスによりましては《オンラインレッスン》を開始しておりますが、パソコンやスマートフォンを使いこなせない方や、そもそもお持ちでない方もいらっしゃるのが実情です。そこで私の方から、各クラスごとに「レッスンプリント」や「おさらい用のトレーニングプリント」を随時送らせて頂いております。どうか皆様、少しでも英語に触れ続けることで、なまりがちな頭に刺激を与えて下さい。そして何かご質問やご不明点があるときには、ご遠慮なく電話かメールでお問い合わせ下さい。私も時間をもてあましていますので、いつでも結構です。
今はとにかくジッと我慢して、前向きな気持ちを忘れず一緒に乗り切りましょう!
After a night comes a day.
There is always light behind the clouds.
2020年04月16日 10:19 PM
You must stay home. ~《シニア英会話教養講座》
さる3月23日、イギリスのボリス・ジョンソン首相が演説していました。ニュースでご覧になっていた方も多いと思いますが、首相は“simple instruction”「(シンプルな指示)である。」と前置きした上で、
“You must stay home!”と述べました。
この“must”ですが、学生時代に「~しなくてはならない」という意味だ、と習った記憶がありますね。でも同時に、“have to”も同じ「~しなくてはならない」の意味だということも、思い出されませんか?この二つの表現の違いは何なのでしょうか?
大ざっぱにはこの二つは同じ意味で、使い分けに神経質になるほどのことはありません。しかし、ここではあえて厳密な違いについてお話ししましょう。“I have to”には「私は持っている」の意味の“I have”が含まれている事からわかるように、「自分が~する必要性を持っている」という自発的なニュアンスがあります。それに対して“must”の方は、話す人の意志によって「~しなくてはいけませんよ」という他人からの強制力を帯びているのです。ですから、この首相の言葉には「私があなたに家にいることを強制します」というような、強い調子が感じ取れるのです。
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様からも、二つの言い方の違いについてよく質問を受けるのですが、私は「ほとんど同じですから、“have to”の方だけを普段は使うようにすればOKです。」とお答えしています。実際、“have to”は過去形にして“had to”(~しなくてはならなかった)という使い方ができますし(“must”は過去形には使えません)、“must”よりも口語的です。
ただし、否定文にしたときだけは注意が必要です。“must”の否定“mustn’t/must not”は「(絶対に)~してはならない」という強い禁止の意味になるのに対して、“have to”の否定“don’t have to”は「~することはない/しなくてもよい」という、それこそ「不要不急」の意味になってしまうからです。
◆You mustn’t go out. (あなたは絶対に外出してはならない。)
◆You don’t have to go out. (あなたは外出しなくてもいい。)
この違いは非常に大きいものがあります。
昨晩、ボリス・ジョンソン首相がウイルス感染したという速報が入りました。イギリスの運命を左右する大変重要な人物です。一刻も早いご快癒をお祈りいたします。
2020年03月28日 03:08 PM
over-tourism (オーバー・ツーリズム) in 京都《シニア英会話教養講座》
このところしばしば耳にする「オーバー・ツーリズム(over-tourism)」について書いてみようと思います。今回久しぶりに京都を訪問したおりに、そのことについて考えさせられるキッカケがあったからです。
「オーバー・ツーリズム(over-tourism)」とは、特定の観光地に旅行者が殺到すること、そしてその影響で交通のマヒや自然破壊が起こって、住んでいる人の生活を害したり景観を損ねたりする問題を指します。世界ではローマやバルセロナやエベレストなどで、日本では京都・奈良・鎌倉・富士山などで発生しています。私が京都を訪れたのは2月の後半の連休で、中国人観光客激減の時期だったにもかかわらず、清水寺周辺のエリアは人があふれていました。(どうやら「今ならすいている」と考えた日本人が殺到していたようです。もっとも銀閣寺や金閣寺や祇園あたりはそれほど混雑していませんでした。)
お寺を見終わって、ホテルに帰ろうとバスを待っていた時のことです。10分に一本の間隔で走っているはずのバスが25分待ってもなかなか来ません。すると間もなく、同じ番号のバスが2台つながって来ました。一台目のバスには私の前に並んでいた3人が乗り、「満員ですので後ろのバスにお乗り下さい」との運転手のアナウンス。ところが後ろのバスはドアも開けないで「満員通過します」とのアナウンスのみ。思わず「えーっ!!」と叫ぶと、そばに立っていたシニアのご婦人がこう言いました。「こんなん、日常茶飯事ですよ。私ら京都のモンは生活の足としてバスはほとんど使えないんですよ。」【ちなみに、バスをあきらめた私は45分歩いて帰りましたが、10分歩いたところで、先ほどの2台のバスを徒歩でゆうゆうと追い越しました。】
また別の日にバスに乗っていた時に、たまたま話をしたシニアの方は、「ウイルスのお陰で町がすいてます。だって聞こえてくるのが日本語ですもん。普段は日本語がほとんど聞こえてきませんよ。」と。私の関西の友達も、「今こんな状況になって世の中は大変だけど、京都の人達はほっとしているんだよ。ピーク時にはこの3倍は人が多いよ。」と教えてくれました。
すいていると言われているこの時期でさえこうなのですから、ウイルス騒ぎの前はどんなだったのでしょうか?そういった、私たちが全く知らない現実があるということを思い知らされた旅でした。
ちなみに「すいている」という単語は英語にはありません。「混んでいる」の“crowded”を否定して“not crowded”と言うしかないことになります。「京都は普段よりも(ずっと)すいている」と言いたい時には、次のように言います。
◆Kyoto is (much) less crowded than usual.
※“less”という語は“little”(少し・少ない)の〈比較級〉で、直訳すれば「より少なく混んでいる」とでもなるでしょうか。「ある状態の程度がより少ない」場合に使われる少し高度な用法です。
2020年03月07日 07:15 PM