「ブラック・フライデー(Black Friday)」《シニア英会話教養講座》
この数日吉祥寺を歩いていて、時折「ブラック・フライデー」という看板や商品タグを見かけました。いったい何のことだろう?と調べてみて初めて知りました。
“Wikipedia”によると「ブラックフライデー(英語: Black Friday)はアメリカ合衆国で感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことである。正式の休暇日ではないが休暇になることが多く、伝統的に一年で買い物が最も行われるクリスマス商戦(ホリデーシーズン)の開始の日である。」とのことで、「その金曜日から始まるバーゲンセール期間」をも指すようにもなったのだそうです。
「ブラック」と付くと、かつての株の大暴落を指す「ブラック・サーズデー」や「ブラック・マンデー」を連想してしまいますが、「ブラック・フライデー」の「ブラック」は「店の売り上げが増えて黒字になるから」というプラスの理由からだそうです。【注:諸説ありとのこと】確かに、年末のクリスマス商戦は、日本でも一年中で一番売り上げがあるといいますから。
※私などは1978年(昭和53年)のアメリカ映画「ビッグ・ウェンズデー」(伝説の大波がやってくる日)を思い出してしまいました。(シニアの方なら覚えているかも・・・・・)
それにしても「バレンタインデー」や「ハロウィーン」のように、何でもかんでも外国の風習を取り入れて売り上げ増に結びつけようとする日本人のたくましさを感じずにいられません。「ブラック・フライデー」は定着するでしょうか?それとも「プレミアム・フライデー」のように忘れ去られるのでしょうか・・・・・・・
2019年12月02日 11:29 PM
大掃除《シニア英会話教養講座》
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアクラスで、毎年この時期になると増えてくるのが「大掃除」の話題です。シニアの方には律儀な人が多く、年末には必ず大掃除をするという方がほんんどです。中には「大掃除のことを考えると気が重くなってくるわ」とおっしゃる方まで・・・。
さて、この「大掃除」ですが、英語ではどのように表現すればいいのでしょうか。「掃除」は“housecleaning”とか単に“cleaning”と言えばいいのですが、「大」を付けるとなると“big”よりも“general”の方がいいでしょう。“general”という形容詞は、日本語の「総」に当たる言葉で、たとえば「総務課」のことを“general department”と言ったり、「総支配人」のことを“general manager”と言ったりします。
◆I have to do general (house)cleaning tomorrow. (明日は大掃除をしなければならない。)
ところで外国には「大掃除」の習慣はあるのでしょうか。調べてみると、イギリスやアメリカでは春に大掃除をする習慣があるそうです。そのことを“spring-cleaning”と言うのだそうで、“spring-clean”(大掃除をする)という動詞にまでなっているようです。ですから上の例文は
◆I have to spring-clean tomorrow.
と言えそうです。もっとも日本人にとっては少し違和感があるかもしれません。そこで私は、“year-end (house)cleaning”と言うことにしています。ご参考までに。
◆I have to do year-end (house)cleaning tomorrow.
2019年11月23日 07:22 PM
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」《シニア英会話教養講座》
NHKで放映中の「チコちゃんに叱られる」は、今や国民的人気番組ですね。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様たちの間でも、ひんぱんに話題になっています。中には「あの言葉遣いは品がないから、私は好きじゃないわ。」と言われる方もチラホラ。シニアの方ならではの感想なのかもしれません。
さて、あの番組のタイトルの下に表示されている“Don’t sleep through life.”という英語に気がつかれた方も多いと思います。直訳すれば「人生を通して眠るな」という和訳になるでしょうか。つまり、「人生を眠って(眠ったように)過ごすな」という意味になります。この“sleep through ~”という言い回しは、「(物音などに)目を覚まさないで眠る」という意味で、例えば以下のように使う事ができます。
①I was sleeping through that earthquake. (私はあの地震にも目を覚まさず眠っていた。)
②He always sleeps through the alarm. (彼はいつでも目覚まし時計が鳴っていても目を覚まさない。)
③She was sleeping deeply through the telephone ringing. (彼女は電話が鳴っていても目を覚まさず熟睡していた。)
“Don’t sleep through life.”とは、なかなかうまい英訳を付けたものだと思いますが、他の言い方も探ってみたいと思います。まず「ボーっと」ですが、いくつか考えられます。〔idly・lazily(怠惰に・なにもせず)〕、〔vacantly(空虚に・ぼんやりと)〕、〔absent-mindedly(うわの空で・うっかりと)〕、〔aimlessly(漫然と・目的もなく)〕などです。ですから、例えば “Don’t live/Don’t be alive idly.” というように使えば、それはそれで「ボーっと生きるな/生きているな。」という意味になるわけです。
では、もっと易しくて応用のきく言い方はないのでしょうか?私のオススメは、ズバリこれです。
④Don’t waste your life! (あなたの人生を無駄に過ごすな!)
“waste”という動詞は「浪費する・無駄にする」という意味で、後ろに“time”や“money”をつなげれば、「時間・お金を無駄にする/無駄遣いする」というように幅広く使う事ができます。
私も含めてシニアの皆さんにも、「チコちゃんに叱られ」ないように、有意義に日々を過ごしてもらいたいものです。
2019年10月22日 09:46 PM
「残業」「ブラック企業」《シニア英会話教養講座》
ここでは、先日の私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアクラスでの話題から拾ってみたいと思います。
多くの日本人は「残業」のことを“overwork”だと思っているようですが、それは正しくありません。“overwork”というのは「過労(過度の労働)・過密労働」という意味で、規定就業時間内に仕事が終わる場合でもありうる事です。「残業」は時間外労働のことですから、“overtime”と言います。動詞には“work”や“do”を使うのが一般的です。
◆I have to work overtime today. (私は今日残業をしなければならない。)
◆He worked overtime about 3 hours. (彼は約3時間残業をした。)
「吉祥寺MCS英会話スクール」のとあるシニアの生徒様は、ご子息の話題の中で「ブラック企業」という語を使っていらっしゃったのですが、これも“black company”という言い方では通じないようです。これは全くの和製英語ですから、ネイティブの人は「もしかして黒人の会社ってこと?」と、あらぬ誤解を招きかねません。ですからあえて言うなら、“dishonest company”(不正直な会社)とか“wicked company”(邪悪で道徳心のない会社)といった言い方になるでしょうか?
ただその後に何らかの説明的な語句を添えた方がいいと思います。例えば・・・
◆Our company is a wicked company. Because they make us work long time but don’t pay for overtime.
(ウチの会社はブラック企業だ。なぜなら、僕達を長い時間働かせて、なのに残業代を払わないんだから。)
ついでに「サービス残業」の言い方も紹介しておきましょう。これももちろん“service-overtime”ではいけません。あえて言うなら“work overtime without pay”とか“unpaid overtime”といったところでしょう。
◆”My boss made me work overtime without pay.” (私の上司は私にサービス残業させた。)
最近は「働き方改革」がよく言われるようになって、こういった事もかなり減ってきていると思いますが、まだあるところにはあるのでしょうか?先日乗った電車で、若いOLが話しているのを漏れ聞いてしまいました。
「きのうサビザン2時間だよ。メッチャ腹立つ!」
近頃では「サービス残業」も「サビザン」になってしまったようです。(苦笑)
〈イラスト出典:アイキャッチャー〉
2019年09月29日 10:16 PM
秋の虫の音(ね)《シニア英会話教養講座》
「”秋に虫が鳴く”って英語で何て言えばいいのですか?」
これは、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様からの質問です。
まず「虫」。英語で“insects”(複数形)と言いますが、これは昆虫全般を指しますので、秋に鳴く虫に限って言いたいのであれば“crickets”の方がいいかもしれません。次に「鳴く」ですが、「虫が鳴く」場合には“chirp”という動詞を使います。ですからこの質問の日本文を英語にすれば
◆Crickets chirp (at night) in autumn.
という英文に一応なります。(「夜に」という意味の“at night”を追加しました。)
ただし“crickets”は「コオロギ」という意味で、私たちの知っている「マツムシ」や「キリギリス」や「クツワムシ」などを個別に指す名詞はありません。というより、英語には秋に鳴く虫の種類を細かく区分しないで、全部“cricket”でまとめてしまっているといった方がいいでしょう。【わずかに「スズムシ」だけは“bell-ringing crickets”というとってつけたような名詞がありますが・・・・・】ですから、この文を外国人の前で言うと、「秋の夜にはコオロギがチュッチュッと鳴く」という程度に解釈されてしまいます。なんて味気ないことでしょうか!
実は、日本人以外のほとんどの民族は、虫の声を愛でるという習慣はないのです。ですから、秋の虫の種類も、それらが奏でる音色のバリエーションも興味がなく、従って虫の種類を指す単語さえ存在しないわけなのです(学術名は除く)。実際、虫の声を“noise”(雑音・騒音)ととらえている人も多いそうです。日本人なら“noise”でも“chirp”でもなく、せめて“sing”(歌う)と言いたいところですね。
◆Many kinds of crickets sing (at night) in autumn. And Japanese enjoys listening to it.
(秋の夜には、いろんな種類の虫が歌います。日本人はそれを聞くのを楽しみます。)
※上の文で“listening”を使いましたが、これも外国人なら“hearing”になってしまうでしょう。なぜなら“listen”は「意識して耳を傾けて聞く」、“hear”は「無意識に耳に入ってくる」の意味だからです。【「~に耳を傾ける」といういみだから“to”が要るのです。】
ついでの余談になりますが、外国人は「虫の声」を右脳で認識するのに対して、日本人とポリネシア人だけは左脳で認識するのだそうです。左脳は「言語」を認識する領域で、私たちにとっては「虫の声」は言葉のように認識されるとのこと。もしかすると、日本人はポリネシア語を習ったら上達が早いのかも知れませんね(?)。
2019年09月16日 11:00 PM