「久しぶりに~」《シニア日常英会話》
今回は「久しぶりに」という言い方を取り上げてみたいと思います。
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」の生徒様はシニアの方ばかりです。シニアの方々は大変まじめ、というか優等生的な人ばかりで、新型コロナウィルスの影響で外出自粛が奨励されて以来、遠出や外食をしっかりと控えていらっしゃいます。(もっとも、吉祥寺は皆さんにとって「庭」みたいなものですから例外ですが。) そんな中で、この1~2ヶ月になってようやく「久しぶりに○○に行きました。/○○しました。」という話題が聞かれるようになってきました。
ところが、この「久しぶり」という言い方は案外英語で言いにくいものです。以下にそれっぽい英文を紹介してみましょう。
①Long time no see. (長いこと会っていませんね。→久しぶりですね。)
◆有名なカジュアル表現で、電話やメールで「ご無沙汰してます。」と言う時や、久しぶりに再会した時に使います。これをもう少し正式な英語で言うと、
②I haven't seen you for a long time. となります。
これを「行く」で言い直してみると、
③I haven't been to Ginza for a long time. (長いこと銀座に行っていない。→銀座に行くのは久しぶりだ。)
となります。【残念ながら"Long time no go to Ginza." とは言いません。】
さらに続けましょう。
④It has (=It's) been a long time since we met last./ I went to Ginza last.
(前に私たちが会って以来/前に私が銀座に行って以来、長い時間になる。→私たちが会うのは/私が銀座に行くのは、久しぶりです。)
◆"a long time"の部分を"3 years"に言いかえれば「3年ぶり」になります。
⑤The last time I went to Ginza was a long time ago./3 years ago.
(前に銀座に行ったのはずいぶん前/3年前の事だ。→銀座に行くのは久しぶりだ(だった)。/3年ぶりだ(だった)。)
◆これは④とほとんど同じ意味ですね。
以上の言い方は、①を除いて、取っつきにくかったり、苦手な《現在完了形》を使ったりで、私としてはあまりお勧めできません。そこで私からのお勧めを2つご紹介します。
⑥I went to Ginza after a long time. / after 3 years. (久しぶりに/3年ぶりに銀座に行った。)
⑦I went to Ginza for the first time in a long time./3 years. (久しぶりに/3年ぶりに銀座に行った。)
この2文の方が「久しぶりに~した。」という、よく使う文脈に合致していますし、抵抗なく言えるのではないでしょうか。【⑥と⑦を比べると、⑦の方がより正確ですが、負担の少ない⑥で構わないと私は思います。なお、⑥の"3 years"を"3 years' absence"とする言い方もあります。ご参考までに。】
A: I went to Ginza for the first time in a long time.
(久しぶりに銀座に行きました。)
B: Good. Did you do shopping or meet your friend?
(よかったですね。お買い物とかお友達に会ったりしたのですか?)
A: Both. I enjoyed shopping with my friend.
(両方です。お友達とお買い物を楽しみました。)
B: When did you meet her last?
(最後に彼女に会ったのはいつですか?)
A: Maybe, the last time I met her was 2 years ago.
(もしかすると、最後にあったのは2年前かもしれません。)
ウイルスの感染が少しでも早く収束して、シニアの皆さんが持ち前の行動力を発揮できる日が、一日も早く来ますように。
2020年10月04日 03:06 PM
「アレンジする」《シニア日常英会話》
今回は、今やすっかり日本語になってしまっている「アレンジする」という言葉を取り上げてみたいと思います。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様たちもよく口にされる単語です。
"arrange"は動詞で「アレインジ」のように発音しますが、大体以下の3つの意味を持っています。例文と一緒に見ていきましょう。
(1)整理する・配列する
①I arranged the food in the fridge. (私は冷蔵庫の中の食料品を整理した。)
②She arranged flowers in the big vase. (彼女は大きな花瓶に花を生けた。)
「並べ替えたり整頓したりする」という意味です。そういえば「生け花・華道」のことを"flower-arrangement"と言いますね。
(2)手配する・お膳立てする
③I will arrange the meeting with Mr. Brown. (ブラウン氏との会合をお膳立てしましょう。)
④Could you arrange a taxi to go to the airport? (空港に行くタクシーを手配して頂けますか?)
パーティーや飲み会を「お膳立てする」の意味で、「幹事」のことは"arranger"と言います。
(3)編曲する
⑤He arranged the song for the piano. (彼はその曲をピアノ用に編曲した。)
◆さて、ここまで見てきて「おやっ?」と思った方も多いはず。シニアの方に限らず私たちが日頃一番よく使っている、「ある物に手を加えて変化させる」とか「ある物の一部を変えて構成し直す」といった使い方が上の3つには入っていませんね。料理のレシピ("recipe")によく使われる、あの「アレンジ」です。
実はこの意味の「アレンジする」は意外なことに完全な和製英語なのです。おそらく(3)の「編曲する」から派生したのだと思いますが、もし"arrange the food"などと言ってしまうと、「食べ物を整理する」と解釈されてしまいます。では正しくは何といえばいいのか?
⑥I added a Japanese touch to the food. (私はその料理に和風のアレンジを加えた。)
⑦It's my own version of boiled-tuna. (それはマグロの煮物に私独自のアレンジを加えた物です。)
"arrange"を使っていないのに和訳に「アレンジ」を入れるのは変だと思われる方は、「ひと手間・ひと味・風味」と訳せばいいと思います。まさに"touch"はその意味です。また"version"は、有名な「バージョン」で「版」の意味です。つまり"my own version"は「私(独自)版」なわけですね。
◎なお、参考までに"fusion-food"という最近の英語もご紹介しましょう。"fusion"というのは「融合」という意味の言葉で、色々な国の料理や食材を取り合わせて新しく創作された料理、つまりは「創作料理」と訳してもいいと思います。アボガドを使ったお寿司「カリフォルニアロール」などがまさにこれにあたりますね。
A: I hope you will like my home-made pasta.
(私の自家製パスタ、お口に合えばいいけど。)
B: Wow, it's amazing! It has interesting taste.
(わあ~、すごく美味しいわ。面白い味ね。)
A: I added my own special touch to the sauce.
(ソースに私なりの特別なアレンジを加えたの。)
B: Great! It's Ayumi version of seafood-pasta.
You can open a restaurant!
(すごいわ!アユミ風特製シーフードパスタね。レストラン開けるわよ。)
シーフードパスタといえば、昨年の3月に行ったローマのレストランで食べたシーフードパスタの味が忘れられません。私のイタリア語の発音が悪かったのか、お店の人の勘違いなのか、同じ物が2つ来てしまったのには面食らいましたが、あれはこれまでの人生で最高のパスタでした。
自由に海外旅行ができるようになったら、ぜひまたあのパスタを食べに行きます!シニアの皆様も、海外旅行を目標にがんばりましょう!
2020年09月02日 10:43 PM
「go to トラベル」《シニア日常英会話》
何かと物議をかもしている「"Go To トラベル"キャンペーン」。今回はこれを取り上げてみたいと思います。
まず、この"go to travel"という言い方は、英語としては明らかに誤りであるという事を指摘させて頂きます。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様たちは旅行が大好きです。(もっとも、この数ヶ月は見事に自粛していらっしゃいますが・・・)旅の翌週には、皆さん必ず"I went to travel ・・・・."と話して下さるのですが、正しくは"I went on a trip ・・・・."と言います。なぜ"on a"なの?と言われても困ってしまうのですが、今回の「キャンペーン」のせいで間違い英語がますます定着してしまいそうな事を危惧しています。【ただし、"I went to travel "でも絶対に通じますから大した問題ではないのかも】
★初めに、「旅行」〔名詞〕といっても色々な英語があることをご紹介しましょう。
①trip・・・・・最も一般的な「旅行」を指す語。期間も日帰り~数週間程度と幅広く、私たちが一番普通に使える単語。時には数時間の移動にも使う。
◆I often go on a trip to Kyoto alone. (私はよく京都に一人で旅行します。)
※この例では、"I have a trip."や"I make a trip."と言う事もできます。
◆It's a long trip from Kichijoji to Kamakura. (吉祥寺から鎌倉までは遠い。)
なお、"trip"はあくまで〔名詞〕として使います。(しかも数えられる名詞なので"a"まで付いてしまいます。)ですから、"I trip to Kyoto."とは言えません。
また「1泊旅行」や「2泊3日の旅行」の場合には、"a one-day trip"や"a 2-night trip"に変えればOKです。
②travel・・・・・期間の長い、遠い場所への「長期旅行」
「旅行」といえば真っ先に浮かぶ英語なのですが、長くても一週間~10日程度の旅行がメインの私たちには縁がない言葉でしょう。〔名詞〕としてでなく〔動詞〕として使うのであれば期間や場所のことを気にせずに使えます。
◆I like traveling abroad./traveling to foreign countries. (私は海外旅行が好きです。)
◆He traveled in Europe with his family. (彼は家族とヨーロッパを旅行した。)
※動詞としての"travel"に"~ing"を付けて動名詞に変えれば、「~する事」というように名詞のように使えます。なお、"trip"のように"I go on a travel."とは言いません。
(参考までに、"travelled"や"travelling"のように"l"を重ねるのはイギリス式です。)
③tour・・・・・ある場所から出発してまた戻ってくる「周遊旅行・見学旅行」
◆I joined a group-tour to South France. (私は南フランスへの団体旅行に参加した。)
◆Please give us a house-tour. (私たちにお家の中を案内して下さい。)
※引っ越しした時に、その家の中を案内する事を"house-tour"と言います。
④journey・・・・・"travel"よりも長く、時として苦労も伴う「長旅」
◆Life is a journey. (人生は旅である。)
★というわけで、結論としては"go(went) on a trip"と、動詞としての"travel"を知っておけば十分だと私は思います。
A: What's your plan for this summer-vacation?
(この夏休みの予定は?)
B: I have no special plan. How about you?
(特別な予定はないけど。あなたはどう?)
A: I'm going on a one-night trip to a nearby hot-spring resort.
(私は近くにある温泉に一泊旅行に行くのよ。)
B: You mean going to Hakone?
(箱根に行くっていうこと?)
A: No. There is a quaint inn with natural hot-spring baths in Oume.
(いいえ。青梅に、趣のある天然温泉宿があるのよ。)
◎"quaint"は「古風で趣のある」という意味の形容詞です。
※青梅にある天然温泉は「岩倉温泉」といいます。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」 のあるシニアの生徒様がよく行かれる場所で、遠出のしづらい昨今、人気スポットになっているそうです。
2020年08月02日 01:16 PM
「吉祥寺の東急デパートで」~場所の重ね方《シニア日常英会話》
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」では、4月と5月のレッスンを感染防止対策として休講させて頂きました。その間、一部のクラスではZOOMを使ったオンラインレッスンを実施いたしましたが、それと平行して全てのシニアの生徒様に自宅学習用のプリントを定期的にお送りして、英語から離れないようにお声がけをしておりました。自宅学習用のプリントでは、「以前に勉強した基礎的なおさらい」に主眼を置きましたが、その中で気になったことについて今回は書かせて頂きます。
今回のテーマは、「吉祥寺の東急デパートでバッグを買った」と言いたい時のような〔場所の重ね方〕です。英会話の初心者に限らず、日本人は日本語の語順で考えて英文を作ってしまいがちですね。しかし、やはりそれはNG!場所を重ねるときのポイントは、《日本語と逆》もしくは《狭い方から先に言う》です!
◆I bought a bag at Tokyu Department-store in Kichojoji.
が正解です。ここで"at"と"in"のことが気になる方もいらっしゃると思いますので、少し説明しましょう。どちらも「(ドコドコ)で」の「で」に当たる前置詞ですが、"in"は「比較的広い地域・土地や、部屋」に、"at"は「狭い地点や、施設」に使われると一応覚えておいて下さい。【但し、間違って使っても通じます。】
皆さんの中で、外国に手紙を書いた経験のある方なら、住所を書いた時に(町名)→(都市名)→(州名)→(国名)のように、狭い方から書いたのを思い出すのではないでしょうか。それと同じで、「私は、東京の武蔵野市に住んでいる。」と言う時には、
◆I live in Musashino-city in Tokyo.
となります。これをもし、"in Tokyo in Musashino-city"とやってしまうと、東京の事をよく知らない外国人なら、「へぇ、東京は武蔵野市の中にあるのか・・・」と思ってしまいます。【ちなみに、「"in"を2つ重ねて使ってもいいのか?」という疑問をお持ちのシニアの生徒様も結構いらっしゃることに、今回気づきました。もちろん2つでも3つでも重ねて使ってOKです。】
下の例文も読んでみて下さい。
①Let's have a picnic-lunch under the tree in the park.
(公園の(中の)木の下で、お弁当を食べましょうよ。)
②She put the key by the tea-cup on the table.
(彼女は、テーブルの(上の)ティーカップのそばに鍵を置いた。)
③He is sitting in front of the TV in the living-room.
(彼は、居間のテレビの前に座っている。)
④There are many fish in the pond near my house.
(ウチの近所にある池(の中)には、沢山の魚がいる。)
※"by"と"near"は、どちらも「~のそばで」という意味ですが、"by"は「窓のそば(わき)」「門のそば(わき)」のように狭い範囲で、"near"は「駅のそば(近所)」「吉祥寺のそば(近所)」のように地図に描ける範囲の時に使います。
A: Would you like this with your beer?
I grew them in the planter on the balcony.
(ビールと一緒にこれいかが?ベランダのプランターで育てたの。)
B: Wow, edamame! I love it!
(まぁ、枝豆ね!私目がないの!。)
A: I had a good harvest this summer.
(今年の夏は収穫が良かったのよ。)
B: Did you grow them from the seeds?
(それは種から育てたの?)
A: Yes. I buy the seeds at the gardening-shop near my house.
(そうよ。ウチの近所の園芸店で種を買ってるの。)
枝豆は、いまや大人気の日本料理です。"edamame"と、英語になってしまっているほど。ただしネイティブ達の発音は「イダマミー」とか「イダメィミー」と聞こえますので、少し注意が必要です。
2020年07月04日 04:07 PM
「~した方がよい/~するべきだ」”should”の話《シニア英会話教養講座》
先日3月28日付けのブログ「日々雑感」で、"You must stay home."の話を取り上げました。これは、イギリスのボリス・ジョンソン首相が国民に外出自粛を呼びかけたときの演説の中の一文でしたが、私はそこで「"must"は【~しなければならない】という意味ですが、"have to"と少し違って「他人からの強制力が込められた命令的なニュアンスを帯びる」という説明をさせて頂きました。つまり、"must"は押しつけがましく聞こえるので、日常の会話では"have to"をメインに使えばよいという主旨の話だったわけです。
今回は、その事とも関連した"should"のお話をしたいと思います。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの(中級以上のクラスの)生徒様からよく頂く質問があります。「"should"は【~するべきだ】と学生時代に習いましたが、【~した方がよい】の"had better"で言ってもいいのですか?」というものです。
確かに私の記憶でも、中学・高校時代に「"should"は【~するべきだ】の意味で、"had better"は【~した方がよい】の意味」だと教えられました。そして何となく、"had better"の方が"should"よりも柔らかく伝わるイメージを持っていたものです。ところが、ネイティブの友人からのアドバイスや、最近の文法書の説明によって、"had better"は相手にプレッシャーをかけてしまう結構強い意味の言い方だということがわかりました。イメージは真逆だったのです。
例えばの話ですが、刑事が取調室で容疑者に向かって「おい、全部正直にしゃべった方がいいぞ。(でないとブタ箱行きになるぞ)」と言う時のような少し脅しめいたニュアンスが"had better"にはある、と思ってもいいかもしれません。それと同時に、"should"こそが私たちの言う【~した方がよい】に一番近い言い方だということもわかってきました。
★そこで結論です。"should"は【~するべきだ】だけでなく【~した方がよい】の意味もちゃんと持っています。"had better"はこの際忘れて下さい。そして"should"を柔らかく伝えたいときには、"I think"を前に付けて下さい。
◆You must stay home. (あなたは家に居なくてはなりません〔これは私からの要請です〕。)
◆You had better stay home. (あなたは家に居た方がよい〔でないと後で困りますよ〕。)
◆You should stay home. (あなたは家に居た方がいい〔これは私からのアドバイスです〕。)
◆I think you should stay home. (あなたは家に居た方がいいと思いますよ。)
A: Can you go shopping for some food today?
(今日、食料品のお買い物に行ってもらえるかしら?)
B: OK. I will go after work about 4:00. Make the shopping-list.
(いいよ。仕事の後で4時頃行くよ。リスト作っといて。)
A: All right. But you shouldn't go so late.
(わかったわ。でも、そんなに遅い時間には行くべきじゃないわ。)
B: Why? I have an online-meeting from 2:00.
(どうして?2時からオンライン会議があるんだよ。)
A: In that case, you should go just after lunch.
Because supermarkets are not crowded when people are full.
(それだったら、お昼ご飯のすぐ後に行った方がいいわ。
だって、みんなが満腹の時は、スーパーは混んでいないでしょ。)
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」では、4月・5月のレッスンをすべて休講とし、いくつかのシニアクラスの皆様とオンラインレッスンをさせて頂きました。とはいえ、退屈と戦う日々でした。そして、その間の買い物や食器洗いなどの家事手伝いは、とても良い気分転換になりました。
6月1日から、マスクの着用・部屋の喚起と消毒を徹底した上で、通常レッスンを再開いたします。シニアの皆様、ご自分のご判断によって、出席できる方はぜひお越し下さい。
2020年06月02日 12:58 AM